JR四国の本格的な観光列車の第二弾として2017年4月から運転を開始した「四国まんなか千年ものがたり」号。往路は「そらの郷紀行」として、復路は「しわせの郷紀行」として週末を中心に運行しています。車内では地元の食材を使った食事も楽しむことが出来ます。今回は復路の大歩危⇒多度津に乗車して来ましたので車内の様子を写真を交えながら、区間ごとに見どころなどをご紹介したいと思います。
車内の様子や運行情報は別ページにてご紹介しています。詳しくは⇒こちらをご覧ください。
路線図
まずは四国まんなか千年ものがたりの運転路線図をご紹介します。

大歩危駅~阿波川口
「四国まんなか千年ものがたり」の乗車日、前日は祖谷峡に宿泊していました。乗車当日は祖谷峡の小便小僧とかずら橋を観光タクシーで回って大歩危峡の遊覧船の乗り場で下車。大歩危の遊覧船に乗船した後、徒歩で大歩危駅へ向かいました。
大歩危駅
ここは大歩危峡と祖谷峡への玄関口の駅ですが・・・駅前は非常に狭いです。駅前に最近、テレビでもよく見かける歩危マートさんがあります。


大歩危駅のホーム様子です。ラブラブベンチも設置されています。




いよいよ14時21分出発です。今回は1号車の6番席です。テーブルにはすでにセッティングされてます。


大歩危駅~小歩危駅
大歩危駅を定刻に出発した列車は大歩危峡を左手に見ながらゆっくりと車窓を楽しめるように徐行運転をしながら進みます。途中、妖怪屋敷のある道の駅「大歩危」と大歩危峡遊覧船乗り場の方々が手を振ってくれます。




その後列車は鉄道写真の有名な撮影地でもある第二吉野川橋梁を渡ります。ここまで徐行運転です。第二吉野川橋梁を渡ると吉野川は進行方向右手に代わりトンネル入り小歩危駅を目指します。
小歩危駅~阿波川口駅
しばらくすると小歩危駅に到着。特急南風11号と列車交換の為、3分の運転停車です。ここでは乗降できません。
小歩危駅を出るころにお楽しみの「おとなの遊山箱 」が・・運ばれて来ました。


この食事は昔の徳島の子供たちが野や山に遊びに行く時に持って行った3段重箱を「四国まんなか千年ものがたり」風にアレンジ・イメージして作られているそうです。
小歩危駅を出ると列車は小歩危峡の絶景ポイントで徐行運転を行います。


小歩危峡の絶景ポイントから眺めです。絶景ポイントを過ぎるとたぬきの里、阿波川口駅に到着です。
阿波川口~阿波池田
阿波川口駅
14時46分に阿波川口駅に到着です。地元の方がたぬきに扮してのお出迎えです。阿波川口駅周辺は妖怪タヌキ伝説が伝わることから2017年に駅舎は汽車に化けた「汽車狸」に改装されました。





15分停車するので「四国まんなか千年ものがたり」の撮影も可能ですが・・残念ながら逆行です。

阿波川口駅に下車している間、食事はどうなっているか・・と言うと
アテンダントの方がカバーをして頂きました
サービスが行き届いています。
祖谷口~三縄駅
阿波川口駅を15時01分に出発した列車は次の停車駅阿波池田駅へ向かいます。途中吉野川を跨ぎます。ここで第一吉野川橋梁で3回目の徐行運転を行います。


平日には対岸の小学校から生徒の皆様が手を振ってくれますよ。
阿波池田~坪尻
阿波池田駅
阿波池田駅で南風号との交換の為9分間の停車です。




下り南風13号の交換と上り南風18号に路を先に譲ります。南風18号はアンパンマン列車です。


佃駅~箸蔵駅
佃駅を通過すると列車は左手に大きくカーブをして吉野川を渡ります。ここで4回目の徐行運転です。吉野川橋梁を渡ると案山子でお出迎えいただけます。


箸蔵駅~坪尻駅
吉野川橋梁を渡り反対側に出て列車は坪尻駅へ勾配を駆け上がります。途中、左手に先ほど停車した阿波池田の街並みが見える所で5回目の徐行運転を行います。


坪尻~琴平
いよいよ秘境の駅、坪尻に到着です。
秘境の駅 坪尻駅
土讃線の中で2つあるスイッチバック駅の1つで最近は秘境駅の人気が高まる中、ランキング上位に入る坪尻です。普通列車で訪れる場合は1日下り3本、上り3本しか列車がないので中々訪れる事が出来ないので「四国まんなか千年ものがたり」が入線してくれるのはありがたいです。

坪尻駅には15時46分に到着です。ここで7分間停車します


駅のホームからの写真です・・スイッチバック駅になっているのがわかると思います。
お分かりの方も多いと思いますが何故スイッチバック駅なのか・・・その昔SL時代急こう配の途中にある駅は1度停車してしまうと勾配を登ることが出来なかった為に駅を側線に引き込んでこのような形態をとっています。全国にはこのようなスイッチバック駅は数多くあって観光列車が運転されていてスイッチバック駅を楽しめるのは九州の肥薩線や中央本線でしょうか。(肥薩線は現在運休中です。中央本線はリゾートビューふるさとで記事にしています。詳しくはこちらをご覧ください。)
では、駅舎の雰囲気をご紹介します。駅前はマムシに注意です。気をつけてくださいね。ここにもラブラブベンチが設置されています。






7分の停車時間もあっという間に過ぎて坪尻駅を後にします。


坪尻駅を出発すると一度側線に入ります。つまりバックしていますね。側線は少し上っているので、この後側線から少しの下りを利用して勢いをつけて勾配を登ります。そしてスイッチバック駅の為、運転士が運転席を移動しますがその際に乗客に挨拶をしてくれます。色々な観光列車に乗車しましたが、運転士さんの挨拶は初めての経験でビックリしました。
もう1つ坪尻には見どころがあります。スイッチバックでしか見られない景色が・・・左手を見ると滝が見えます。これはスイッチバック駅を利用する普通列車かこの「四国まんなか千年ものがたり」でしか見れない景色です。

坪尻駅を後にした「四国まんなか千年ものがたり」は次の停車駅讃岐財田駅へ向かいます。
讃岐財田駅
南風15号と交換の為、7分間停車します。


琴平~多度津
いよいよ「四国まんなか千年ものがたり」の旅も終わりに近づきました。
琴平駅

16時31分琴平駅に到着です。ここでは南風20号に路を先に譲ります。21分間の停車です。この琴平駅には「四国まんなか千年ものがたり」専用待合室が駅構内にあります。停車時間を利用してフェアウェルサービスです。






南風20号を見送って16時52分に琴平を後にします。途中、善通寺に停車、金蔵寺駅に運転停車をして多度津に17時16分に到着です。約3時間の四国まんなか千年ものがたり号の旅を終えました。
乗車の感想
これが観光列車!といえる列車でしたね。車内の雰囲気もいいですが走る区間の特徴を最大限に生かしとても徐行区間が多く土讃線の絶景を思う存分楽しむことが出来ました。通常、大歩危駅から多度津駅までは約1時間の所を復路は3時間近くかけて走るので、すでに特急列車ではないですが料金に見合う観光列車だと個人的な感想です。ぜひ、オススメしたい観光列車です。JR四国ではものがたり列車があと2つ運行しています。その他の列車もオススメです。別ページにてご紹介しています。詳しくは⇒伊予灘ものがたり号・志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり号をご覧ください。